いつもの青学ヒロインの他に、立海ヒロインと立海関連のヒロインが『立海ヒロイン』として登場します。
立海編
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『餅談議、お節談議(立海version)』
「え、正月から練習スか?」
「ああ、大晦日と元日は休むから充分だろう。日頃から鍛練を怠ってはならん」
という話が、立海大テニス部元副部長から現部長切原赤也に告げられたのは、暮れも押し迫った30日の事だった。
(げっ!!)
切原は内心焦る。他の部活は5日から始まるところがほとんどなので、切原もそれに合わせるつもりでいたのだ。
(確かに今年の正月は俺も1年だったし、副部長も現役だったからそういうもんだと思っていたけど……)
だが、それを言えば『たるんどる!!』と張り倒されるのがオチだ。
「どうした切原。何か疑問でもあるのか?」
「いえっ!! 何もないっス!」
盛大に首を振り切り全否定した。
こうして立海大テニス部の初練習は、新年の2日から始まることになった。
「寒いっスね」
部室に飛び込み、開口一番切原が言った。
「冬ですからね」
「けどまあ、今日は天気もいいし暖かいほうじゃ」
穏やかな柳生に、窓からの陽射しに目を細める仁王。
部室で先輩の姿を見るのも随分と久し振りな感じだ。
「遅刻したらヤバイと思って、餅食ってる暇なかったっスよ」
「しょうがねーな、そらよ」
「え……」
自分に向けて、丸井から飴玉とチョコが投げられた。
「腹減ってたら新年早々、真田のスパルタでダウンしちまうぜ」
「あ、ありがとうございまっス!」
ガムを膨らまし、Vサインを送る丸井に深々と頭を下げた。
「けど俺も食い足りなかったな、あともうちょい伊達巻食いたかったぜ」
ため息でガムを膨らませると、丸井は椅子の背もたれに寄りかかった。
「丸井くんは甘いものがお好きですからね」
「ああ、伊達巻、黒豆、栗きんとん。それ以外はパスだな。餅は食うけど」
柳生の言葉に嬉しそうに笑う。
「丸井は小さい子供と変わらないな」
ノートを手にした柳も、わずかに目を細めた。
「まあ、弟たちと取り合いしてっけどよ」
それでも、ちゃんと譲る時は譲るんだろうと思わせる雰囲気が丸井から流れている。