いつもの青学ヒロインの他に、立海ヒロインと立海関連のヒロインが『立海ヒロイン』として登場します。
立海編
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「あ! 部長! 来たっス! あの人っス!」
切原くんが私を指差すのと、私が幸村くんの名前を指差したのは同時だった。
「ね! 美人のお姉さんっしょ!?」
「そこかよ!」
桑原くんと丸井くんに突っ込まれている横を通り過ぎて、コートに案内された。
「指名ありがとう、幸村です。昨日は休憩に出てしまって失礼しました」
幸村くんが私の前に立つと、軽くお辞儀をしてそう言った。
「いえ……」
(て、こっちから言うことなんて何もないし……)
ちょっと焦る。
そうそう筋肉痛は、この人に憑かれてシンクロしている間は、まったく感じなくて助かった。
「じゃ、いくよ」
幸村くんの言葉でサーブが来た。
(ぎゃー! なにこれ、ボール? ボールなの? こんなに速いの!?)
ラケットが、身体が、足が、勝手に打つ、動く、走る。
(どんだけーっ! ぎゃー! ぶつかるーっ! 嘘ーっ! 目をつぶっても打ち返せるーっ! 柳くんになれるよ! 私!)
「すげ……」
「幸村が取れないなんて……」
「何者なんだ……」
コートの中と外で素晴らしい熱狂が繰り広げられた。
そして謎の美人は、にこやかな微笑みを残し、部員達の視界から外れた一瞬のスキをついて鮮やかに姿を消した。
そして、平凡なる一介の女生徒は、大地に転がっていた。
「……げは……も……ダメ……」
「ごめんね、結構本気出したよ。中学生ではかなりのレベルだね、あの幸村って子は」
虚脱感で朦朧とする私の横でそう言うと、その人はとても嬉しそうに笑った。
そんな笑顔を見たら、私も嬉しくなる。
「私、テニス部入ろうかな」
「え……」
どうして? という顔をするから
「テニスの基本と体力つけたら、もっと試合しやすくなるかなって」
そう言った。