いつもの青学ヒロインの他に、立海ヒロインと立海関連のヒロインが『立海ヒロイン』として登場します。
立海編
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「いや~美人のお姉さんならいいっスよ。お相手しまっス」
(は!?)
「悪ぃ、受付代わって。俺、お姉さんのご指名受けたから」
他の部員と交替して、何だか嬉しそうな切原くんの後を、また足が勝手についていく。
(ちょっ……美人のお姉さんだと? 私ゃここの生徒でお姉さんと言われるほど……)
年上に見えたりしないし、ましてや美人だなどと、今だかつて言われたことなどない。これは胸を張って言える。虚しいけれどね。
そう、思い当たることはただひとつ。
さっきのあの人。美形さんだった。
あの人に、身体を乗っ取られたとしたら……もしやの美人に見える?
何か嬉しい?
喜ぶべき?
いやいや、違うでしょ。
身体乗っ取られたんだよ私。
もっと焦ろうよ。
でも、ちょっとだけだから……って言ったよね?
「言ったよ」
(……あわわ! き、聞こえましたか?)
「当然。今、僕は君で君は僕だからね。そして僕はテニスをしたいだけ……」
後半はつぶやきのように小さな声だった。
「ぶぶぶ部長! 副部長! たたた大変っス!」
切原が喫茶室のドアを勢いよく開けると転がり込んできた。
「何だい赤也。休憩ならそろそろ終わりにするよ」
「落ち着かんか! 見苦しいぞ、切原」
しかし、いつもなら怯む真田の睨みには目もくれず、一気にまくし立てた。
「これが落ち着いてなんかいられますかってんだ! 俺も、柳生先輩も仁王先輩も、準レギュラーも、たった一人で全員なぎ倒した強者がいるんスよ!」
「何だって?」
「ほんとかよ?」
半信半疑で椅子から立ち上がるレギュラーに続き、幸村が静かに尋ねた。
「その人、まだいるの?」
「あ、多分……」
すべてを見届けないまま走って来た切原が、自信なげに答えた。
「……何……この……重圧感……と、脱力感……」
テニス部を後にして元の場所に戻ったとたん、私はバッタリと地面に倒れ込んだ。
全身の力が抜けきって、指一本動かせない状態。
おまけに心臓バクバク、息も切れ切れ。フルマラソンしたみたいに疲労感に取りつかれてる。
「な、なんで……」
「そりゃ、君の身体でテニスしたからね、君が疲れるのは当たり前だよ」
疲れまくっている私とは裏腹に、私の横に座るその人は何事もなかったかのように、涼しげに笑う。