いつもの青学ヒロインの他に、立海ヒロインと立海関連のヒロインが『立海ヒロイン』として登場します。
立海編
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
どこか見える所はないかな……と、人混みを避けながら移動すれば、見事に遠目の端っこ。
「まあ、いっか。別にレギュラーを見るわけじゃないしね」
コート全部が見渡せる場所に行き着くと、幾本かある木の陰からじっと試合を見つめている人に気がついた。歳は二十歳前後な雰囲気だから、父兄か近所の人かな、と思ってすぐ視線はコートに向けた。
学園祭のデモンストレーションなせいか、王者立海と言えどかなり来校者にサービスしてると思った。
特に丸井くん。
「お、今のいいじゃん。もう一丁いってみようぜ」
とか、
「脇しめて構えて。そーそー、いいぜー」
なんて、教えながら1点も入れさせてないけどね。
別にテニス部のファンでもないのに、気づけば20分も経っていた。
「テニスもちゃんと見れば意外に面白いのかな」
なんて思いながら、当初の目的通り模擬店で何か買おうと校庭に向かった。
一通り見て回っても、友達がいる演劇部の出し物までに時間があったので、もう一度模擬店の焼き鳥を食べようと校庭に出た。
「焼き鳥より甘いもんねぇの?」
「甘味処なら校舎内だ」
「俺はガッツリ食いてぇ」
「食堂へ行け」
どうやら、テニス部のレギュラーメンバーの半数が休憩に入ったみたいで、遠巻きに騒ぐ女の子や、さりげなく行動を共にする女の子達でにぎやかだ。
「そういえば……」
さっき、ずっとテニス部を見ていた人はまだいるんだろうかと気になった。
なぜかと言われても説明出来ないんだけれど、何だか気になった。
「いた……」
足早にコートへ向かえば、その人は同じ場所からただじっと、切ないような……憧れるような、静かな眼差しでそこにいた。
ボールがコートに跳ね返る音、応援の声、笑い声、叫び、活気にあふれた音が通り過ぎる中、吸い寄せられるように私もその人を見つめ続けた。
しかし、見つめ続ければいつしか相手にも気づかれるというもので、その人が小さくため息をついてその場から離れようとした時、
「……」
視線をそらしそびれた私とバッチリ目が合った。