いつもの青学ヒロインの他に、立海ヒロインと立海関連のヒロインが『立海ヒロイン』として登場します。
立海編
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「それほど難しいことではない。頭の中でイメージ画像を作り出せばいい。いいか? ホエイとは乳清のことだ」
「にゅ、乳清?」
早速切原の目が点になる。
「英語でwhey。ホエイかホエーと表記する」
「え、英語だったんスか?」
切原の頭の中で、苦手な英単語のスペルが渦を巻き始めた。
「ホ、ホエン」
「それはWhen。いつ、だ」
「い、いつ、いっつ、いってる……」
「イッテルビウムか? それならYtterbium。ドイツ語だ。原子番号70の希土類元素、記号はYbだ」
果てしなくすれ違う二人の視線に、無情にも昼休み終了の鐘が鳴る。
切原は魂が抜けたように蒼白な顔で教室に戻った。
「切原くんわかった?」
近寄った有紀に、切原はただ黙って菓子袋を返すと、自分の席でうちしおれた。
「青菜に塩ってとこかしら」
その姿に思わず有紀がつぶやくと
「切原に英語だ」
教室のドアに現われた柳が言った。
「切原に渡してくれ」
驚く有紀に、柳はふたつに折り畳んだレポート用紙を渡すと、静かに自分の教室へ戻った。
有紀は、そっと渡されたレポート用紙を開いて見た。
そこには、ホエイについての内容が達筆な文字で流れるように書かれていた。
「さすが柳先輩」
ため息をついて菓子袋を鞄にしまうと有紀は、放心状態の切原に視線を送った。
「あれでも2年生エースなのよね」
もうちょっと勉強も頑張って貰いたいものだと思ったけど、まあいいか、切原くんだしと思った。
fin.