いつもの青学ヒロインの他に、立海ヒロインと立海関連のヒロインが『立海ヒロイン』として登場します。
立海編
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「俺は四階へ行った。上から順に確認していこうと思った」
丸井、仁王、真田がそれぞれ自分の行動を話した。
「なるほど。ブン太はロッカーのもう一人の名前を見ていないからまず逃げることを考え、仁王と弦一郎はもう一人を探しにかかったわけだな」
柳は三人の言葉を聞くと、渡り廊下からの矢印の先に一階、二階、四階と書き加えた。
「ん~、それなら多分次が俺だろぃ?」
ロッカーのもう一人の名前を見ていない自分だから、と思ったのか丸井が話し出した。
「一階の昇降口から出てすぐ脇の門を目指したんだけど、門が見えたっと思ったとこで捕まっちまった」
丸井はテーブルに肘をついて、残念そうに吐息をついた。
柳はボードの一階矢印から昇降口と書き、丸井の後ろに×を書き込んだ。
「まあ多分、俺も真田も似たようなコースじゃなか?」
ちらりとずっと腕組みをしたままの真田を横目で見ると、仁王が言った。
「二階は誰もおらんかったよ」
「……四階もだ」
二人の言葉に、黙って柳は二階と四階の後ろに矢印を足した。
「で、三階へ上がろうと階段へ向かったところで挟み撃ちをくらったのう」
恐いはずの夢を楽しむかのように仁王は語る。
「俺もだ。三階へ降りようとしたら前後に現われた」
反対に真田は、いまいましそうに言った。
柳のすべらせるマーカーは、二階から三階階段と書き、仁王の後ろの×。四階から三階階段と書き、真田の後ろに×と書いて終わった。
「あれ、終わりじゃないすか」
不満たっぷりの切原に
「いえ、もう一人……いえ、もう二人……いますよ」
柳生が言った。
「え……」
頭の後ろで手を組み、椅子によりかかった切原が、目をしばたたかせると身体を起こした。
その言葉に、全員の視線がマーカーにキャップをかぶせた柳に集まった。
「……そう、俺は三階へ行った。そして暗い廊下に暗い教室が並ぶ中、ひとつだけ明かりのついている教室を見つけた」
部室はしんとして、柳の言葉をひと言たりとも聞き漏らすまいと、全員が耳をそばだてた。
「後ろから追ってくる影と競争するようにラストスパートをかけた俺が教室のドアを開けるのと、中の探していた人物が振り向いたのは同時だった」
「だ、誰だったんすか、それ」
「決まっとるじゃろ。この中におらん、最後の一人じゃ」
切原の焦る言葉を、仁王が静かにさえぎった。