いつもの青学ヒロインの他に、立海ヒロインと立海関連のヒロインが『立海ヒロイン』として登場します。
立海編
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「アホくさ~」
柳くんの説明に気が抜けた。
「まったく、チェーンメール始めた人の感覚が意味不明だわ」
はあ、と息をひとつ吐くと鉛筆を握り直して柳くんの手に視線を戻した。
「チェーンメールは、元々は手紙でのやり取りが始まりだ。昔は携帯などなかったから、ハガキに手書きの文章で一枚ずつ書き写して投函されていたわけだ」
柳くん、話しながら読んでるのかな、器用だな。
「一枚ずつ? そか、コピーもファクスもないような頃ね」
「そうだ。だから、当然書き間違いも起こりうる」
「あ~、ミスはあるよね」
友達のノートを見せて貰った時に、字の判別がつかなかったことを思い出した。
「不幸の手紙の『不幸』が『棒』に見間違えられ、『棒の手紙』として出回った話などもあるようだ」
「何それ~」
あまりのマヌケさ加減にツボって笑った。
柳くんのよくわからない目も笑って見えた。
「柳くんて、天文好きなの?」
しばらく笑ってから、再開した手のデッサン中に見えた文庫本のページの文字。星のことが書いてあった。
「まあな」
柳くんにしてはあいまいな言葉と、微妙な目元の表情。
聞いちゃいけなかったのかな……?
「ありがと柳くん」
予鈴が鳴ったので、クロッキー帳をたたんだ。手もいつもよりは上手く描けたと思う。
「展覧会用の絵、柳くんにしようかしら」
次の授業の教科書を出しながら、何となくつぶやいた。
「俺を? 物好きだな」
「目を描く労力が減るし、その分楽かと」
私がいたずらっぽく笑うと、柳くんも笑った。
今日の部活は、それだけで苦手なデッサンも楽しく出来そうだ。
fin.