いつもの青学ヒロインの他に、立海ヒロインと立海関連のヒロインが『立海ヒロイン』として登場します。
立海編
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「柳くん、ちょっと手を描かせてもらってもいいかな?」
ペンケースから濃いめの鉛筆を出して握ると、柳くんにお願いしてみた。
「……構わないが……そう言えば北原は美術部だったな」
広げたばかりの文庫本から顔を上げると、柳くんは視線を私の手元に向けた。
「そう。私ね、手が上手く描けなくて……」
特に男子のゴツい手は、と続けようと思ったらまたポケットの携帯が震えた。
「また……」
二通連続のチェーンメールは初めてだ。
「爆笑もんだわ。んなことあるわけないっしょ」
私は、柳くんにこれも読む? と携帯の画面を見せた。
黙って携帯を受け取った柳くんは、ひと通り目を通した後おもむろに切り出した。
「チェーンメールを最初の一人が五人に出すとする。受け取った人は必ず五人に回す条件でな」
「うん」
「で、次の五人がその次の五人に一時間以内に回す。実際はものの数分で済むだろうが、一時間という枠を設ける」
「うん」
柳くんの話にデッサン中の手も止まる。
「仮定条件として、日本国内の相手に回す、止めずに必ず次の五人に回す、誰もが携帯を所有しているとする」
「うん」
「すると、だ。11時間後に回る相手の数は、軽く三億を越す計算になる」
「三億? 日本の人口の倍以上じゃん!」
「そう、最初にチェーンメールを出した本人にも回ってくることになる」