青学編
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「…今日はそう上手くいかねぇよ。笑っていられるのも今のうちだぜ。覚悟しろ」
しかし、意気込みとは裏腹にまたも海堂は桃城に敗北を喫してしまった。
(…クソッ…何でなんだ)
誰とも目を合わすことなく、部活終了と同時に手早く着替えた海堂は、陽を落とした薄暮れの家路へとその姿をかき消した。
「…どこへ行くんすか? 」
翌朝10時。待ち合わせの駅で切符を買うと、改札口へと向かう乾の背中を見ながら海堂は声をかけた。
「路地巡り」
「…は?…」
(路地って、よく路地裏とか細い路地とか言うあの路地…だよな? )
ホームへ行くとすぐに電車が到着し、詳しい話も聞けないまま乾の背中に従うように開いた扉に続けて乗り込んだ。
(どこへ行くんだ…)
電車の軽い振動に身を任せながら、扉横のバーに寄りかかる乾を見た。上背のある乾は扉の高さと同じくらいだろうか…。とりとめもなくそんなことを考えた。
「次、降りるぞ」
しばらくして、ずっと走り過ぎる風景を見ていた乾が扉のガラスに映る海堂に話しかけた。
「あ…はい」
乾に言われ手元の切符をもう一度眺める。車内アナウンスの告げる駅名は、知らない名ではないが、特に来たことはない場所だ。
(こんな所で一体何が俺の役に立つんだ…? )