いつもの青学ヒロインの他に、立海ヒロインと立海関連のヒロインが『立海ヒロイン』として登場します。
立海編
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
不意に丸井に抱き上げられ、頭をがしがしと撫でられた猫は、怪訝そうな顔で丸井の顔をじっと見た。
「変わってるな。普通、猫って撫でられたら喉ぐらい鳴らさね?」
そう言いながら丸井の指先は猫の喉をこすり上げた。
《わはははは、やめろ丸井! やめんかーっ!》
〈にゃーにゃにゃっ〉
「あ、喜んでるっすよ、先輩」
切原も近寄って頭を撫でる。
《やめんかーっ》
〈みぎゃー〉
猫は丸井の腕から勢いよくコートへと飛び降りた。が、右前足から崩れるようによろけ、あわてて体勢を立て直すとひょこひょことコートの端へと逃げるように走った。ただスピードは出ない。
「ケガしてんのか?」
「…っすね」
「無理もないですよ。あの真田くんの下敷きですからね。潰れなかっただけまだましというもの」
丸井、切原、柳生の三人が、コートの陰でさかんに右前足を振って痛みを振り飛ばそうとしている猫の背中を見つめる。
「…何か気の毒っすね」
「そうですね、例えて言うなら哀愁を帯びたサラリーマンでしょうか」
「けど、何だって猫がコートに入って来たんだ?」
「猫もテニスがしたかったんじゃろ?」
保健室から戻った仁王が、哀愁の背中の持ち主を見つめながら言った。