切原が見つめる先─

真田や柳、柳生、仁王…と最強王者立海の名に恥じぬメンバーが、部活とも思えぬ迫力の熱戦を繰り広げている。

「皇帝…」
ポツリ、と切原が口にした。
「…え？ 」
何だろう…と幸村が目をしばたく。

「参謀」
「……？ 」
「紳士」
「…」
「詐欺師」

「みんなカッコいい呼び名があるっスよね」
どことなく遠い目だ。

「…ああ、そうだな」
それが…？ と幸村は思う。

「何で俺は『ワカメ』なんスかね」


（プッ…）
笑いたい。笑えない。困った。表情を固めないと赤也が傷つく。
必死に幸村は自分を固めた。

「…急にどうしたんだ…」
まずい、声が震える。あわてて幸村が口を閉じる。

「部長だって将軍と言われたりするのに、俺はワカメ…」

だから、繰り返すな！ 腹がよじれるだろ？