いつもの青学ヒロインに氷帝ヒロイン、そして氷帝編に関わる他のヒロインも『氷帝ヒロイン』として名前変換されます。
氷帝編〜Episode2〜
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『餅談議、お節談議(氷帝version)』
「おめでとー」
「ああ、おめでとうさん。いやに元気やな、ジロー」
「正月だC、あったり前ー!」
相方の向日かと思うくらい跳ね回る芥川を見て、新年早々忍足は驚きを隠せない。
ここ氷帝学園中等部のテニス部部室では、正月二日目だというのに元レギュラーメンバーが集まっている。
「何をするんでしょうね、宍戸さん」
「あー……例年通りなら初練習だろ?」
どことなくわくわくした感じの鳳に、半分ダルそうな宍戸。
「眠そうですね、宍戸さん」
「ああ、二年参りに初日の出、麻雀に花札、ボードゲームと遊びに来た親戚と家族に付き合わされた」
そう言うと宍戸は、疲れきった顔であくびをしながら腰かけている椅子で背伸びをする。
「そういや侑士、餅食ったか?」
「ああ、暮れに実家に戻って食べて来たで」
「それじゃ、とんぼ返りですね」
「まあな」
向日の言葉に、これもいささか疲れたように忍足が答えると、鳳が気の毒そうに言った。
「そう言えば、大阪と東京とでは雑煮も違うそうですが、食べ比べたりはしましたか?」
ふと気がついたように、日吉が忍足に視線を寄越した。
「そうみたいやけど、俺こっちで雑煮を食べたことないねん」
「え、大阪の雑煮ってどんなんだ?」
三段跳びで向日が話に割って入った。
「関西風雑煮やと、白味噌に丸餅、京人参に大根、里芋いう感じやね」
「丸餅?」
「ああ、餅が丸いんよ」
「餅が丸いって、鏡餅みたいだC!!」
向日と芥川が目を丸くした。
「俺んとこは、元日に白味噌、二日目はすまし汁で頂いとるで」
「へー何だかうまそうだC!!」
食べ物の話のせいか、芥川のテンションは高い。
「伊達巻と栗きんとんも好きだCー!」
「俺もっ!! 黒豆もいいよな!!」
「だよな、お節ってさ、あんま食うもんないよな」
「そうそう。昆布巻きや煮しめも食べろって言われるけどさ」
いつの間にか向日や宍戸たちでお節料理に花が咲く。
「何をくっちゃべってやがる。練習始めるぜ」
部室のドアが開き、氷帝ジャージに身を包んだ跡部が颯爽と現れた。
「雑煮の話だCー! 跡部も雑煮食べた? 好きなお節ってある!?」
芥川の勢いは止まらず、跡部に突入する。
「ああ? 雑煮なら食べたぜ。お節は、鮭のテリーヌと海老のテルミドールだ」
伊達巻や黒豆で騒いでいたメンバーたちが静かになった。
(テルミドールやテリーヌって何やの)
忍足の疑問は全員の疑問だ。
「くだらねぇこと言ってねぇで外へ出ろ。準備運動が終わったらマラソンだ」
「え~……」
不満いっぱいな声が部室に響いた。
fin.