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氷帝編〜Episode1〜*
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「ああ、跡部様の香りが……」
「ああ、跡部様に包まれる~」
受け取ったシャツをそれぞれ抱きしめると、あちらこちらから陶酔した声が沸き上がる。
「……」
宍戸は大丈夫かこいつら、という顔で引きながら見ているが、
「跡部モテモテだC~」
芥川は愉快そうに笑っていた。
「あの、ブレザーはわかりますか……?」
遠慮がちに聞かれたが、ブレザーは自信がない。スーツの生地までは触れてこなかったからだ。
ただ、帰りがけに『俺様専用の制服見本だ』とマネキンに着せてある氷帝の制服は見せて貰った。
(あの生地に近いものは……)
ブレザーがかけてあるハンガーの間を縫うように歩いて探す。いくら跡部でもブレザーの余分はシャツのような枚数は作らないだろう。
そう考えながら一着ずつ見ていくと、もしかして……と思えるものがあった。
そっと内ポケットのあたりを覗くと『跡部』のネーム刺繍がある。
試しに他のブレザーも数着確認したが、それらには刺繍がなかった。
バザーに出す前にネーム刺繍は提供者が取ることになっていたのだろうが、跡部は忙しさに紛れて忘れたのだろう。
ただ、跡部を慕う女子生徒たちからすれば、取り忘れられたネーム刺繍は何物にも代えがたい宝物に違いない。
七星はそっと女子生徒たちをうかがった。
思いの外シャツの枚数は多かったため、この場にいる希望者には行き渡っている様子だが、七星にブレザーのことを聞いてきた一人の女子生徒だけが所在なげだ。
(何だか魔法使いにでもなった気分)
七星はこっそりとその女子生徒を呼ぶと、跡部のネーム刺繍を指差した。
女子生徒は息を飲んで口を押さえると、頬を上気させ愛しむようにブレザーを抱きしめた。
「じゃあ行こうか~」
制服騒動が収まると、腹減った、と今度は芥川が騒ぎ始めたため、校庭に移動することになった。
「テニス部のほうはいいんですか?」
先ほど二人が向こうで何かをやっていたので、七星はそう聞いた。
「あ~、あんな公開処刑みてぇなの、二度とやるかってんだ!」
「え~、女の子たち必死で可愛かったよ~」
宍戸は横を向き、芥川はまた愉快そうに笑った。
「あーん? 何でお前らがここにいる?」
ベンチに座ってクレープを食べていると、仕事を終えた跡部が七星たちの所にやって来た。
「テニス部の提供品は全部売ったし、腹ごしらえしてからストテニに行くとこだぜ」
ハムとチーズと野菜が入ったクレープを平らげると宍戸は言った。
「ほんとは七星ちゃんも誘いたいとこだけど、どうせ跡部がダメ~って言うだろうC~」
「ハッ、当然だ。わかってるじゃねぇか」
不満げに口を尖らせる芥川に、跡部はニヤリと笑う。