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氷帝編〜Episode1〜*
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『リサイクル』
「樺地くん、ちょっといいかしら?」
「ウス……」
秋に入って間もなくのこと。ここ、氷帝学園では休日に開催されるバザーの準備で慌ただしい週末となっている。
「樺地……?」
「どうかした? 日吉」
段ボール箱をいくつか抱えて廊下を歩いていた二人の男子のうち一人が、急に立ち止まった。
「いや、今樺地が女子に囲まれて移動していた……」
「へえ、珍しいね。樺地が女の子と一緒だなんて」
日吉が見つめる先をもう一人の男子鳳も追ったが、言われたその姿は見えず華やかな声だけが校舎の陰から耳に届いた。
「ねぇ、樺地くん。樺地くんならどれが跡部様の物かわかるわよね?」
上級生の女子生徒らに体育館へ連れてこられた樺地は、朝からもうすでに幾度となく聞かれた問いかけに
「……いえ……わかりません……」
ただ静かに答える。
「ええ? 樺地くんでもわからないものなの!? 困ったわね。あてにしてたのに」
「やはり去年のように買い占めるしかないようね」
「あら、その手は今年は通用しなくてよ?」
「え?」
「そうよ、どうやら一部から苦情が出て、今年から一人二着までに決められてしまったんですって」
「なんですって!!」
何やら騒ぎ出すお嬢様方。
「……ともかく何とかしなくてはいけないわ」
「そうですわ。やみくもに買い占めたとしても、結局どれが跡部様の物かわからなければ……」
「そうね、意味はないわ」
口々に意見を述べ終わると、今度は難しい顔を並べ黙り込む。
「失礼……します」
お嬢様方が何やら悩み始めた中、樺地はひっそりと体育館を後にした。
「バザー……ですか?」
『ああ、そうだ。カフェテリアも開放されるから喫茶店と同じようにくつろげるぜ』
跡部からの誘いの電話に七星は少し迷ったが、以前テレビ番組の特集で見た【隠れた美味しい学食】を思い出した。
(確かあれ、氷帝大学の学食が一般にも開放されてる上に断トツの高評価だったよね)
中等部や高等部の学食は学内限定だが、大学部と比べても何ら遜色はないとも放送されていた。
そのカフェテリアが体験出来る。こんな機会そうはないと考えると、七星はすぐに行くと返事をした。