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氷帝編〜Episode1〜*
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『オーダーメイド』
それは新緑のまぶしい、ゴールデンウイークも始まろうかという頃だった。
「あ、ここみたい」
店名と案内の地図を見比べ間違いがないのを確かめると、七星はようやく着いた、とホッとしたように地図をショルダーバッグにしまった。
だが、すぐ店には入らず、入り口でうろうろしたりショーウィンドウを眺めたりする。
「どうしよう、こんなに威厳と風格のあるお店だなんて思わなかった……」
どうやら七星は、この時完全に気後れしてしまったようだ。
「やっぱりお母さんと一緒に来ればよかったかな」
場所は銀座。世界の有名オートクチュール店が居並ぶ通り。その一画にこの店はある。
とても女子中学生が一人で気兼ねなく入れるような雰囲気の店構えではない。
「どうしよう……」
もう一度つぶやくと、ため息まで弱々しくなる。
「では、景吾様、私めは駐車場に車を入れて参りますので、お先に入ってお待ちくださいませ」
「ああ」
耳に覚えのある名前と声に、七星は驚いて振り向いた。
「お前は……」
「跡部さん……」
跡部も驚いたらしく、その場に立ち止まったまま、じっと七星を見つめる。
七星もまさか、こんな所で跡部と会うとは思いもよらず、つられて固まった。
「まさかと思うが、ここに用か?」
ようやく跡部が七星に声をかけたのは、跡部に気づいた店員がうやうやしくドアを開けた時だった。