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氷帝編〜Episode1〜*
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「すなわち、口で話すことに自信が持てない、ということだ」
榊はコートで練習中のレギュラーへの指示もしながら、慈郎への会話も続けた。
「そないにちゃうもんやろか…」
「違うぞ。耳をふさいで話をしてみろ。感覚がわかるはずだ」
「あ~っ」
榊に言われて慈郎と忍足は早速やってみた。
「確かに、自分の声の大きさがさっぱりわからへんわ」
「全然わからないし~」
戸惑う二人の顔があった。
「聞こえないということは、単語の発音、イントネーションがわからないわけだから、例え文字として会話が目に入っても、どう発音すればいいか難しいことになる」
「……それで話すのは恥ずかしいっていうんだね…」
明るかった慈郎が首をうなだれる姿は見ていても、辛いものがある。
「だが、恥ずべきことは何もない。そうではないか?」
榊はじっと慈郎を見つめた。
「…そうだよ…ね」
「ああ、せや」
二人もうなずいた。
「この世で最も美しい音色を奏でる楽器は何だと思う?」
榊がどちらともなく尋ねた。
「え、何やろか…」
忍足は頭の中にピアノ、ヴァイオリン、フルート…とオーケストラを思い浮かべ、色々とその音色を考えた。
「人の声だ」
「…え」
「声が最も美しい。どんなにかすれた声でも、一人の人のために奏でられる声は天上の音楽だ。芥川も彼女の声を聞き苦しいとは思わないだろう?」
「……思うもんか…」
慈郎の目が熱くなった。
榊と忍足が穏やかな眼差しを慈郎に向けた。
fin.