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氷帝編〜Episode1〜*
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「なぁ、跡部。よかったら教えてくれへんか? どのへんが食い物になるん?」
忍足は開いた画面を跡部に見せると、物柔らかに尋ねた。
「ああ、そうだな。まず、これがサラダの打ち間違いかと思った」
跡部が差す指の先に顔文字が踊る。
σ(αλα)
「シグマにアルファにラムザで一体何かと思ったぜ。余計なカッコはあるしよ」
(ラムザ…漢字の入と同じやん)
忍足もちょっと笑いそうになった。
「で、サラダは『σαλατα』サラータだ」
どうやらギリシャ語を習い始めた子が跡部に見て貰いたくて送って来たのだと、解釈したらしい。
習い始めだから、アルファベットの誤字脱字もあるのだろうと、推理で当てはまりそうな単語を探したのだろう、そう忍足は思った。
(おモロいな)
「ただ、『γαλα』と書いて、ガーラでミルクなのか、とも考えられるんだよな」
跡部は真面目だ。
「で、(ανα)アルファ、ニ、アルファは、『ανγα』アウガーで卵。ψ(αρα)プシ、アルファ、ロ、アルファは『ψαρι』プサーリで魚。(σομ)シグマ、オミクロン、ミは悩んだんだが、『σονπα』スーパでスープのことか、と思ったんだ」
「ああ、そやから…」
「そうだ、腹が減っているのかと思った」
(真面目やんな、跡部は)
怒りながらもいちいち返事をする跡部に、忍足は微笑ましさをつい感じてしまった。
(顔文字やって、説明したろか、それとも、もうちょいおモロがらせて貰おか…)
二択の合間に忍足が一人ニヤついていると、またその相手からメールが来た。
「ふざけるな!」
跡部がまたイラついた。
「どないしたん?」
「これだ!」
目についたのは
ξαναξとρ(ΘωΘ)が並ぶ顔文字だ。
「…どないに読むん?」
一拍おいて、忍足が跡部と画面を見比べた。
「クシ、アルファ、二、アルファ、クシ、とロ、シタ、オメガ、シタだ。多分、『Θα ξαναρΘω』で、サ クサナールソだ」
顔がうんざりしている。
「意味は?」
「…また来る、だ」
「ブッ」
思わず忍足が吹き出した。
「来なくていい!」
投げ捨てるような勢いで、跡部はポケットに携帯を突っ込んだ。
その夜、跡部は忍足から一行だけのメールを貰った。
καληνυχμτα
跡部の顔がほころんだ。
おそらくは一生懸命調べて、一語一語打ち込んだのだろう。
「おやすみ…」
跡部はそうつぶやくと、部屋の窓から空に昇る月を見た。
καληνυχμτα
カリニヒタ
おやすみ
星々もまたたいて、跡部の瞳にも穏やかさが舞い降りた。
fin.