いつもの青学ヒロインの他に、氷帝ヒロイン、それ以外のヒロインも『氷帝ヒロイン』の名前変換となります。
氷帝編〜Episode1〜*
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
自分の順番が近づくとわけもなくドキドキする。
舞台の袖でバーレッスンを幾度もこなして、焦りはやる気持ちを落ち着ける。
客席をそっと覗く。ほとんどが家族や親戚、友人の応援で来ている人達だ。
チラリと見ただけだから、忍足と跡部がどこにいるかなんてわからない。
ただ、客席に二人がいる。
そう思うといいとこ見せなきゃ、といつものコンクールとは気分が変わる。
(ああ、でも上手く踊ろうなんて考えたらダメ。無欲無心に、自分の踊りを踊らなくちゃ。私は私。自分の踊りを…)
深呼吸して胸元で手を合わせる。
(踊りの神様、どうかいつも通りの私の踊りが踊れますように…)
そう願ってから明日香は、忍足から渡されたチョコレートをこっそりとひと粒口に入れた。
優しい甘さが口にふわっと広がる。それだけで何だか落ち着いた気がした。
(よし…)
「野崎の番だな」
「せやな。お、綺麗やん」
客席からの拍手で迎えられた明日香は静かに、そしてしなやかに指先から舞い始めた。
「ふぅん、野崎のバレエを観るのは無論初めてだが、いい表現しているな」
「せやな。指先や足先にも神経が届いとる」
二人は惜しみのない拍手を贈った。
「そら、野崎。約束の花束だ。入賞おめでとう」
授賞式後、ロビーに現われた明日香に跡部は明るい色調にまとめられた花束を手渡した。
「ありがとう」
いささかの興奮を残したままの、花束に負けない笑顔で明日香は受け取った。
「入賞は初めてなの」
頬の赤味を悟られまいと、花束で隠しながらも二人の顔を交互に見て言った。
「なら、これからもっと表舞台へ出て行けるだろう。野崎は素質があるぜ」
跡部が自信ありげに言った。