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氷帝編〜Episode1〜*
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「ん、まぁ」
詳しく聞かれないうちに忍足から離れた。
「コンクールあるんやって?」
「…ん、まぁね」
それもバレているのか。
少しウザいかな、と明日香は小さくため息をついた。
「応援行ったるで」
ほな、と笑うと忍足はゆるやかな足取りで明日香を追い抜いた。
あれ、と思った時には忍足の背中が視界の先へ遠ざかって行くところだった。
「……」
深く追求されずにすんでホッとしたのと同時に、して来なかった忍足に少しだけ親近感が湧いた。
「野崎」
「明日香ちゃん」
「あ……」
コンクール会場の入り口で見慣れた二人が声をかけて来た。
「来てくれたんだ」
「当たり前やん。目いっぱい応援したるよ」
知り合いが客席にいるのは、気恥ずかしい。
特に大きなコンクールだと、緊張もいつもよりしてしまうしあがってしまう。
二人の顔を見たら、急にドキドキとして来た。
(わ…いいとこ見せなきゃとか余計なこと考えちゃう…)
「ほな、これ…」
そう言って忍足が明日香の手にリボンで結ばれた可愛らしい包みを渡した。
「チョコレートなんよ。出番までに緊張したり、小腹が減った時用や」
柔らかい忍足の微笑みと、思いがけない贈り物に明日香は頬が熱くなるのがわかった。
「ふん、コンクールが終わったら俺様からは野崎に華麗な花束を贈るぜ。楽しみにしてな」
忍足に負けじと跡部がニヤリと笑う。
「ありがとう、頑張るね」
二人に手を振ると、明日香は控室へと駆けて行った。