いつもの青学ヒロインの他に、氷帝ヒロイン、それ以外のヒロインも『氷帝ヒロイン』の名前変換となります。
氷帝編〜Episode1〜*
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「義務教育とは、親が子供に教育を与えてやることで親側の義務なんだよ」
「へえーっ」
「知らなかった。てっきり無理矢理でも学校へ行かなきゃならねえから、義務だと思ってたぜ」
また、あちらこちらから感嘆の声が上がる。
「親は子供の選択肢を狭めちゃいけねぇ。そのための教育だろ?」
「そりゃまぁ、出来ないよりは出来た方が進学するにも色々な大学を選べて有利ですし…」
部誌を元の棚に戻し、帰り支度を始めた跡部にまたそれぞれの感想が自然と出てきた。
「なんや考えさせられてしもたな。けど、違た世界に居った相手と話すんは有意義やね。ほな帰ろか」
黙考してしまった部員達に忍足の明るい声がかかる。
「お好み焼き行かへん?」
「あっ行く!」
「俺、焼きそばっ」
「たい焼きがめちゃくちゃ食いてぇ~」
口々に食べたい物の名を告げると、バッグを肩に部室を飛び出して行く。
「…ったく、騒がしい奴らだ」
「ま、ええやん」
一番最後に気難しい顔に戻った跡部と、変わらずいつもの忍足の二人が部室から出た。
「そや跡部、修学旅行行かへんか?」
「アン? 旅行なら行くじゃねぇか」
お好み焼き屋への道すがら、さっさと走って行く部員からかなり離れた位置をのんびりと跡部と忍足は歩く。
「先に入ってるぜー」
店の前から宍戸が、手でメガホンのように口元を囲い大声で後ろの二人に叫んだ。
「ああ、行っててええよ」
ゆるく手を挙げ、忍足がそれに応えた。
「だから、修学旅行は行くって言ってるだろ?」
話が逸れイラついたのか、跡部の語調は少し不機嫌そうに聞こえる。
「その修学旅行やないよ」
「…ああ?」
それじゃなければ何の修学旅行だ、と跡部の眉が寄った。
「行きそびれた修学旅行や。跡部がもしもイギリスに今も居ったら、イヤー6で行ったかもしれへん修学旅行や」
「…どういうことだ?」
跡部の眉がさらに寄り、うさん臭げな眼差しで隣を歩く忍足を横目で見た。
「聞いた話やと、氷帝は別にしても東京近郊の小学校の修学旅行の定番は、日光らしいわ」
「へぇ…」
と、口にはしたものの『それがどうした』という態度がありありだ。
「まあ、なんちゅうか…日光へ行かへん?いうお誘いやね」
にこにこと忍足が笑う。
「日光…何しに」
「せやから修学旅行」
「誰と…」
「俺達、氷帝レギュラー」