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氷帝編〜Episode1〜*
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『手袋』
「なして道端に落ちとる手袋いうんはいつも片っぽだけなんやろ?」
「…あ?」
「やから」
「言い直さなくていい。ちゃんと聞こえた。なぜ、今、ここで言う。それが疑問だ」
「暇やから」
「なぜ暇なんだ。今はマラソン中だろうが!」
「そやけど、忙しいんは足だけやし口は暇やん」
「どういう考えだ」
三学期始めの全校マラソン大会が、ここ氷帝学園中等部で行われている。
男子が女子より15分遅れでスタートしたが、走る距離はまったく同じである。
校庭から校外へと走り出て、道路沿いの歩道を走りながら何となくテニス部員達が自然に集団を作り始めた矢先の会話である。
それぞれのチェックポイントには教師が立ち、道を間違えたりサボったりしないよう監視の目を光らせている。
「行ってよし!」
テニス部員達が近づくとポイントに立つ榊がいつものポーズで行き先を指し示した。
「そやから跡部、なして手袋は…」
「やかましい! 黙って走れっ!」
榊ポイントを通過すると跡部は、心底嫌そうに忍足に言い放った。
「そういやこないだ軍手が片方、車道に張りついてたぜ」