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氷帝編〜Episode1〜*
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「違わない…そうね、そうだわ…」
跡部の言葉につぶやくように答えた。
「人の目に見える色なんて限りがある。紫外線、赤外線と言うように、虹の両端の外側にも色はあるのに見えねぇんだぜ。だから色は心で見ろ。今のお前は未来と言う名の金色に光り輝いているんだぜ」
「え…」
日没直前、最後の太陽の光が跡部の言葉にベンチから立ち上がった明日香を照らし出した。
「行って来い。そして、勝ってここへ来い。いいな?」
「…はい…ありがとう…」
流れたひと筋の涙は、惜しげもなく太陽を弾(はじ)いて輝いた。
「あれから大分経つけど、明日香さん、どうなったんかな。手術…成功しとったらええな」
「そうだな…リハビリも含めどれくらいかかるものか、俺達には見当つかねぇからな」
また、日暮れのベンチに座り跡部と忍足はいつになくぼんやりとしていた。
(はぁ…まったく、せっかく見えるようになったのに、目をつむらなきゃ目的の場所に来られないなんて不便だわ…)
明日香はやっと、懐かしくも初めて見る氷帝学園フェンス横にたどり着いた。
手にはあの日跡部から受け取った、金色の色鉛筆が1本。
目をつむれば、会いたい人達の声がボールの音に混じりながら聞こえてくる。
「よし!」
明日香は色鉛筆を握りしめ、氷帝学園の門へと新しい一歩を踏み出した。
fin.