青学編
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「高寺も願い事を書くのか…?」
七星が指先に七夕の短冊をつまんだまま手塚を振り返ったので、そう思って聞いたのだ。
「いえ、可愛らしいことが書いてあったのでつい読みふけっていたんです」
七星は手塚に言われて、短冊にもう一度視線を落とした。
「そうか…書けばいいのに。まだ受け付けているみたいだぞ」
手塚がサービスカウンターのお知らせを指差して七星に言った。
「いえ…叶わないのはわかっている…から…」
最後は消え入りそうなほど、かすかなつぶやきになっていく。
「……!」
しまった…と手塚は思った。自分の配慮のなさが情けない。
七星の願いはただひとつ…『走りたい』それだけなのだから…。
「帰ろう。送って行く」
その場から一刻も早く立ち去りたくて、手塚は七星の腕を軽く掴んだ。
「先輩、買い物をするんじゃ…」
「いいんだ。行こう」
七星の意見は聞かずに、手塚にしては多少強引に腕を掴んだまま店を出た。