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氷帝編〜Episode1〜*
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「そうか…」
跡部の表情もつられてほころぶ。
「そうだ、さっき何か探してたんじゃねぇのか?」
ふと思い出し、もう一歩明日香に近づいた。
「色鉛筆なんです。この前ここで転んでしまって…布の手提げバッグだったから、中の荷物をばらまいてしまって、その時にどうしても1本見つからなくて…」
はにかんだ明日香の笑顔が陰る。
(色鉛筆!)
数日前に忍足から渡された落とし物だ。あれはそのまま自分のペンケースに入れっ放しになっている。
「待ってろ! それならあるぜ」
「え…」
身体を勢いよく反転させると、跡部は一気に部室を目指して駆け出した。
「そら、これだろ。数日前の清掃活動で偶然テニス部員が拾ったんだよ」
息を弾ませ、フェンス越しではなく正門から外へ回り、直接明日香の手へ跡部は色鉛筆を返した。
「あ…ありがとう、跡部さん」
また瞼を閉じると明日香は微笑と一緒にギュッと色鉛筆を握り込んだ。
「俺じゃねぇよ。拾ったのは忍足だ。…わかるか?」
そんな明日香の姿に跡部はまぶしげに目を細めた。