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氷帝編〜Episode1〜*
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『百の音色、ひとつの言葉』
「だりーよ、侑士。何だって清掃活動なんてしなきゃなんねーのさ」
向日岳人がダレきったまま手にしたビニール袋を横に投げ出すと、その場に座り込んだ。
「ま、ええやん。月に一度くらいは学園周辺の掃除しても罰は当たらへんのやない?」
言いながら忍足侑士は、植え込みの陰に隠れた空き缶を拾い上げそれ用の袋へと入れた。
毎月第一月曜一時間目、全校挙げてクラスごとに当番区域を決め、学園近隣の清掃にあたる。ボランティア活動の一環である。
忍足達のクラスは学園横の道路でテニスコートが近い。向日とは違うクラスだが、サボりを決めた向日がうろうろ隠れる場所を探しているところを忍足に見つかり、とりあえず手伝わされている格好になったわけだ。
「あ…色鉛筆じゃん…」
向日が座り込んだままの姿勢で、植え込みの下に落ちている一本の色鉛筆を見つけてつぶやいた。
「色鉛筆? 」
少し離れた位置にいた忍足が向日の所まで戻ると、隣にしゃがんでその色鉛筆を拾った。
「…使われてへんな。新品やん。落とし物やね」
「けど、名前なんてねぇし誰が落としたかなんてわからねぇぜ。多分初等部のやつのだろ?」
忍足が拾い上げた色鉛筆を覗き込むと向日が言った。
「そやろか…初等部やったら一本ずつ名前記入必須やないん? 」
くるくると指先でつまんだ色鉛筆を回しながら忍足は考える。