いつもの青学ヒロインの他に、氷帝ヒロイン、それ以外のヒロインも『氷帝ヒロイン』の名前変換となります。
氷帝編〜Episode1〜*
空欄の場合は夢小説設定になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そうだぜ。だがナイトレインボーは違う」
また次の信号で止まった。信号って、一度引っかかると次のも、そのまた次のもかかってしまう。
それに時間から察するに帰宅ラッシュなのだろうか、かなり道は混雑している。
「ナイトレインボーは月の光で見るんだ」
「月の…」
「そう。満月の光の元で、太陽光の虹よりも白っぽく見えるそうだぜ」
「白い虹…」
あたしは輝く満月の下にアーチを作る白い虹を想像した。
「ナイトレインボーの条件は満月とその前後に、昼間で言う天気雨が降れば整うわけだ」
「雨…」
確かにそうだ。虹は雨の後に見える。夜の天気雨…。
「跡部さん。あたし、もしもハワイへ行ったら雨が待ち遠しくなりそうです」
自然とうきうきと声が弾む。
「だろ? 」
跡部さんの目が微笑んだ。
「雨が降らなければ降るまで、満月を逃したら次の満月まで夜の虹を待てばいい。ずっと……の傍で」
「え…」
跡部さんの言葉の後ろが、信号が変わり再び動き出した車の音で消えてしまった。
でも、聞き直したあたしに跡部さんは答えなかった。ただゆっくりと瞬(まばた)きをしただけで…。
夜の虹を目にした者は、この世で最高の祝福を与えられる…とも言われている。
fin.