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氷帝編〜Episode1〜*
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「…贈ったらええと思う…」
しばらくの沈黙の後、ゆっくりと忍足は口を開いた。
慈郎が空から視線を忍足に向けた。しかし、見開いた目にまだ涙は枯れない。
「…例え聴こえへんでもジローの気持ちは届くやろ? ジローの心が聴こえたら…それでええんやない? 」
「…俺の心…」
ハーモニーボールを握りしめた手を、自分の胸に当ててつぶやく。
「…本当にそうかな…」
「そうや。現実の音は聴こえへんかて、明日香ちゃんの心の耳にはよう聴こえるはずや、ジローの優しい、暖かい気持ちがな」
柔らかく微笑むと、忍足はじっと慈郎を見つめて言った。
「…忍足ってば恥ずかしいよ~」
やっといつもの慈郎に戻ると、照れながらもあわてて腕で目をゴシゴシとこすった。
「ほら、明日香ちゃん来てるで」
忍足がフェンスの向こうを目線で促す。
「わ…本当だ。ね! 忍足、おかしくないかな、今泣いちゃったし~」
焦って顔中こする慈郎。
「ほな、顔洗ってくればええやん」
忍足は笑って、自分が持っていたタオルを慈郎に手渡した。
「あ、そうだね。ありがとう。行って来るよ」
水飲み場へと走る慈郎の後ろ姿を、フェンスの向こうの人影は優しい眼差しで見つめている。
fin.