夏の幻*
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(あと1ゲーム)
それは、向こうも同じ。あたし達が1ゲーム取ってしまえば、自分達が負ける…。
「──!」
あたしに球が集まり始めた。
千石さん達が作戦を変えて、あたしを潰すことにしたようだ。
(七星!動くな)
リョーマくんが言ってるのがわかる。
本当なら、ただ潰されるなんて嫌だけど…ちょっと時間をロスしたのは否めない。
あたしも、ラケットが届く範囲のみで対応することにして、外れたら素直にリョーマくんに任せる…。
それで何とかしのいだものの、なかなかポイントが決まらず、さらに長引き始めた。
千石さん達も必死だ。
(まずい…腕も限界が来ちゃう…足を動かさなくても、腕が動けばポイント取れるけど腕が止まれば…)
《アドバンテージ》
あと1ポイント…。
あと1ポイント…。
腕が重い…。
ラケットが重い…。
自分で決めたことなんだから、最後まで頑張らなきゃいけないのに…。
あたしの手元に、ボールがえぐり込むように飛んで来る。
何とか返球する。ダメだ、コースが甘い…!
そのコースを見て、リョーマくんも、あたしの限界が近いことを悟ったみたい。
(無理するな!)
チラリと振り返った口許がそう動いた。