夏の幻*
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いよいよ試合が始まった。
千石さんと日吉さんの組からサーブが来る。
どちらも急造ペアだから、息を合わせるのが最初の課題だ。
前衛にいるリョーマくんが打ち返す。
向こうは日吉さんが返してあたしの所に来た。
最初だし、リョーマくんもチラ…と見ただけで、あたしに任せてくれた。
死角が見えたから、あたしはそこに叩き込んだ。
《15―0》
「へぇー」
「なかなか」
「やるなー」
ギャラリーから声が上がる。
千石さんと日吉さんも驚いて、あたしを見る。
リョーマくんも、あたしを振り返ると指で帽子のつばをちょっと押し上げ、ニヤ…て笑った。
「…似ているね、あの二人…」
つぶやくように、幸村は真田に言う。
「え…ああ、越前とあの子か。確かに背格好やプレイスタイルが似ているな。うっかりすると間違えそうだ」
真田も苦笑しながら同意する。
「…彼女が完全に越前をコピーしていたら…千石・日吉組は、二人の越前リョーマを相手にすることになるな」
柳も愉快そうに言った。