夏の幻*
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「途中、もしお前が倒れたらどうするんだ?」
あたしの傍に来た跡部さんが、さりげなく聞いて来る。
「……長引かないように、10分をめどに切り上げたい」
あたしは言った。
「ダブルスは、片方に球を集めて潰すのもセオリーだからな。お前に集められたら苦戦するぞ?」
腕組みをして跡部さんは言う。
「…向こうの二人次第でしょ。俺を狙うか、こいつを潰してまでも手に入れたいか…」
ベンチでドリンクを飲んでいたリョーマくんが、独り言のようにつぶやく。
「一応俺が全面カバーするけどね。こいつダブルス経験ゼロだし」
呆れた目付きをあたしに寄越すと、リョーマくんは皮肉たっぷりに言ってくれた。
「ほ…本読んだもん『初めての方のダブルス』っていう…」
あたしは一応リョーマくんに抵抗してみせた。
(…お前もかよ)
さらに呆れたリョーマくんと、吹き出す跡部さん。
「ま、一応お前が倒れたら、速攻で俺様が医者に運ぶからな。それは安心しろ」
跡部さんがチラリ…とリョーマくんに視線を送る。
「……用意がいいこった…」
リョーマくんは、前を見たまま言った。