夏の幻*
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「それと…精市と…?」
ちょっと納得いかない風に、真田さんは柳さんを見た。
「夏の合宿で、彼女は精市と眠気覚ましにボールを打っている。ただ、精市はサーブを打っていないから…最初のサーブは弦一郎のだったよ」
愉しそうに柳さんは笑う。
「…精市と打った」
「ああ、俺達が練習に明け暮れ、一年生で全国制覇した頃の精市と打てる」
「…そうか…」
「ああ」
真田さんも、懐かしそうに目を閉じると、ふっ…と笑った。
「約束だ。千石のデータを教えよう」
柳さんがあたしを呼んだ。
「精市のテニスなら勝てるだろう。今あいつは休養中だから、あのテニスが出来るのは君だけだ」
柳さんはそう言うと、向こう側のベンチにいる幸村さんに、視線を飛ばした。
「役に立った?」
帰り際、幸村さんがあたしに聞いた。
「はい、助かりました」
あたしは立海大の人達に、深々と頭を下げた。
「凄いね七星さん、テニスするんだ」
「あ…ちょっと…ね」
渚さんに言われて、あたしはちょっと焦った。
(お兄さんを負かさなきゃならないんです。ごめんなさい)
心の中で渚さんに謝った。