夏の幻*
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「記憶?」
柳さんの目が一瞬光ったように見えた。
「ええ、あたしは乾先輩や柳さんみたいに、細かくないですから、ノートにいちいち書きとめません」
大雑把なんです…と言う意味合いで、照れ笑いをした。
「…それは君もデータテニスをする…と言うことか?」
含み笑いを浮かべると、柳さんは言った。
「…そういうことになりますね」
あたしは苦笑した。
「貸してもいいが…」
ゆらり…と柳さんがベンチから立ち上がった。
「タダじゃ、嫌だな」
「…え?」
あたしの驚きと一緒に、真田さんと柳生さんも、柳さんを見た。
「君のデータと交換だ」
柳さんはラケットを手にした。
「…え~と、まさか…」
あたしは、柳さんのラケットを見た。
「そう、俺と打ち合いだ。出来るだろう?」
柳さんが笑って言う。
「試合ではない。5~6球もあれば充分だ」
柳さんがあたしを連れてコートに向かった。
「何じゃ、柳と打つんか?なら俺のラケット使いんしゃい」
仁王さんが、自分のラケットを貸してくれた。
「君から打て。サーブを見たい」
ボールを手渡された。