夏の幻*
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「よし…」
あたしはベンチから立ち上がると、柳さんの所に向かった。
「…何だ?」
あたしが近づくと、柳さんは顔を上げた。
「あの、欲しいデータがあるんですけど…協力して頂けますか?」
「データを…?君が?一体誰のを…」
「千石さんです。山吹中の」
「それなら貞治でも持ってるはずだが?」
「いえ、あたし…青学ではテニス禁止令を出されていますので、乾さんからデータは取れません」
ちょっと焦りつつ、あたしはにこやかに言った。
「禁止令?…それはまた、穏やかではないな。一体何をしたんだ?」
眉をひそめて柳さんは、言った。
傍にいた真田さんや柳生さんまでが、あたしを見た。
「…内緒」
思いっ切り、にこ…としてしらばっくれた。
「…まぁいい。で?手に入れたデータで何をするつもりだ?」
「試合して潰します」
「…千石を潰す?凄いことをおっしゃいますね」
眼鏡を指先で軽く押し上げると、柳生さんは言った。
「ええ、ちょっとよんどころない事情で、やらざるをえないわけです」
「データブックを貸せばいいのか?」
柳さんが聞いたので、
「いえ、説明して下されば記憶します」
あたしは答えた。