夏の幻*
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「でね、お願いがあるの」
『…何だよ』
リョーマくんの声、少し嫌そうに聞こえる…。
「あたしの希望なんだけど、1セットマッチ、10分であの二人を潰したい」
横にいた切原さんが、不意にあたしを見た気がした。
『10分?…まぁ打ち合いに持ち込む気はないからね。余裕でしょ』
「ありがと。ん、じゃね」
「…へぇ…アンタでも潰すなんて言うんだ。意外だねー」
切原さんが笑った。
(…今ので切原が興味を持ったかもしれんのう…)
仁王は、切原を横目で眺めた。
あたしは最後の相手…渚さんから教えられていた番号にかけた。
「千石さん?七星です」
千石さんが、物凄く驚いたのがわかった。
『ふぅん、じゃ俺達が勝ったらどうするの?』
「千石さんと日吉さんで試合して下さい」
『それで勝った方と?』
「はい」
『わかりやすいね。俺は日吉くんにも勝つよ。楽しみだよ。君に会える日が』
あたしは携帯を切ると、深く息をついた。
「なるほど、要はお前さんの取り合いじゃな」
ベンチの背もたれに片肘をついて、仁王さんが言った。