夏の幻*
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「俺を好きになって貰いたいから」
千石さんは、にっこり笑うとあたしをじっと見た。
「それは、聞き捨てならない発言ですね」
(─え…?)
どこかで聞いた声が後ろからした。
振り向いて…愕然とした。
「君は確か…」
ゆっくり立ち上がると、千石さんは声の主に言った。
「氷帝の日吉若です。山吹中の千石さん」
ようやく千石さんが、手を離してくれたものの…
(前門の虎、後門の狼パート2だわ)
「七星さん、本当にあなたは困った人ですね」
(はい?…なぜ日吉さんに、そんなこと言われなきゃならないんでしょうか?)
あたしは困惑した。
「どういう意味だい?」
千石さんも日吉さんに聞く。
「こういうことですよ。ほらこっちにおいで、七星さん」
言うが早いか、日吉さんはあたしの腕を取ると、自分の背中に後ろ手で、あたしを千石さんから隠した。
…あたしはその時、今と丁度逆の光景を思い出した…。日吉さんから逃れるため、幸村さんの背中に隠れた日を……。
「…へぇ…驚いた。これは意外なライバルだな。越前くんじゃなかったのかい?」
千石さんの、驚いたような声が聞こえた。