夏の幻*
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「妹に聞いたんだけど…君、氷帝の跡部くんと親しいの?」
テニスコート脇のベンチに座ると、いきなり千石さんが、思ってもいなかったことを切り出した。
「…え?」
(し…親しい…ですか?)
あぁ…でも、お家に泊めて貰ったし、何度も送って貰ってるし、あまつさえカツカレーにダイヤ…まで、頂いて…あ、プラチナもか。親しくない…って言ったら嘘よね?
「は…はい、大変親しくさせて頂いております」
自分でも苦しいくらい、作り笑顔で微笑んだと思う。
「ふぅん…そう」
相変わらずあたしの手をしっかりと握りこんだまま、千石さんは大して気もないように返事をした。
「─で、君は跡部くんを好きなわけ?」
千石さんはいきなり聞く。
「ええ?そっ…それとこれとは別問題で…」
あたしは、あわてて否定した。
「そう、よかった」
千石さんは安心したように笑顔を見せた。
「じゃ、本命はやっぱり越前くんなの?」
(うわぁ、まだ続きますか)
「……」
困ったな。でも千石さんには、リョーマくんが彼って言っちゃってるからな…。
「なぜ、そんなに気になさるんですか?」
あたしは少し、矛先を鈍らせようとした。