夏の幻*
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「知ってるでしょ?俺が君にひと目惚れしてる…って。しかもこんなラッキーなチャンスが来てるんだ。俺が見逃すわけないじゃん」
あたしの腕を離さず、じっとあたしを見つめながら、千石さんは言った。
あたしは困って目を伏せた。
「…本当は、困らせる気はないんだ。でも、今君は俺のものじゃないし、手を離したら消えてしまうから…離せない」
千石さんは、変わらずあたしを見つめ続ける。
…ずっと腕を取られたままなのも嫌なので、あたしは仕方なく妥協案を出した。
「…あたしは、4時までには帰ります。…それまでここにいればいいですか?」
「ん~、ここじゃなくても別にいいんだ。俺の傍にいて欲しいだけだから」
千石さんは笑った。
「あれ、あんたお嬢ちゃんの友達だろ?」
「え?」
道路際を歩いていたら、聞き覚えのある、私をゾクリとさせる声…が後ろからした。
「跡部さん!?」
振り返ったら、信号待ちの車の窓から顔を出した跡部さんと、目が合った。
「今日は一人か?」
私は、車の側まで近寄って答えた。
「あ…はい」
ついさっきまで七星さんと一緒にいたけど…とは跡部さんには言えないよね。