夏の幻*
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「何やってんだ?」
家に帰ってから、私は瞬間接着剤で割れたカップをくっつけて直していました。
「あああ…ちょっと、割っちゃったから…」
あわてて私は、氷帝の校章が見えないようにして、お兄ちゃんに向き直った。
「…新しく買った方がいいと思うけどな?」
お兄ちゃんは、割れたカップを見るとそう言いました。
「つ…使うわけじゃないの。気に入ってるから、直して飾っておくの」
私は、怪しまれないようににっこりと笑顔をつけて、言いました。
「そうか。じゃ、手を切らないようにな」
「うん」
お兄ちゃんって、心配症です。
「お兄ちゃんがやってやろうか?」
急に、にっこりして、お兄ちゃんがカップに手を伸ばすから─
「高寺七星さんて、知ってる!?」
私…お兄ちゃんの気を逸らそうとして…七星さんとの約束…あっさり破っちゃいました…。
「─え…」
お兄ちゃん…止まりました…て言うか、瞬間、固まりました。
「…何でお前が七星さんを知ってるんだ…?」
…私、こういう表情のお兄ちゃん…初めて見ました…。
驚いたような、困ったような…。
まるで、さっきの七星さんみたい──