夏の幻*
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「あの…まさか…とは思うんですが…」
「どうしたの?」
その子は、なぜか自分の名前をなかなか教えてくれないで、私に質問ばかりして来ました。
「…山吹中ですか?」
「はい、そうです」
「…お兄さんいらっしゃいますか?」
「はい、います」
「…お兄さん…テニス部ですか?」
「はい、テニス部です」
「……千石清純さん…ですか?」
「兄をご存知なんですか?」
「──」
「あの…?」
「…ちょっとだけ…顔見知り…です」
その子はうつむいて答えた…。
(…お兄ちゃんと何かあったのかな?)
「あの…よかったら、あなたの名前も教えて貰えますか…?」
私は、その子に自分から聞きました。
「……あの…お兄さんには…内緒にして頂けますか?」
その子は、とても困った顔をして私に言いました。
「あの…お兄ちゃん、あなたに何か悪いことした…?」
「…うっ…ううん」
あわててその子は首を振りました。
「…高寺七星と言います…」
…その子…ううん、七星さんは、やっと名前を教えてくれたけれど…
「あの…本当にお願いしますね。お兄さんには、あたしのこと…」
ものすご~く、心配そうに私を見るから
(お兄ちゃん…何もしてないよね……?)
私もめちゃくちゃ心配になってしまいました。