夏の幻*
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氷帝学園テニス部。
跡部景吾様…。
もう…名前を思い出すだけでドキドキ…。
お兄ちゃんの応援で、都大会に行った時、一目惚れしちゃったんです…。
でも、お兄ちゃんにすればライバル校の選手だし、絶対喜ぶはずなんてない…。
しかも跡部さん…凄い人気者だから、私みたいに目立たない女の子なんて…近づくことなんて出来やしない…。
ああ…せめて私が氷帝の生徒だったらよかったのに…。
そんなことを考えながら、ある土曜日の午後、街中を歩いていたら─
「あ、ごめんなさい!」
「いえ、こちらこそ!」
私より、やや小柄な女の子とぶつかってしまったんです。
《ガチャン》
ぶつかったはずみで、女の子の持っていた箱が落ち、中の物が割れた音がしました。
「あ、ごめんなさい!」
私はあわててもう一度、謝り急いで箱を拾い上げたんです。でも─
《カシャ…》
箱の中の物が、明らかに崩れている音がしました。
「ごっ…ごめんなさい!あの!時間あります?」
「え?」
女の子はびっくりしたような顔をして私を見ました。
(わ…可愛い…)
そうなんです。その子、同性の私から見ても凄く可愛いんです。
「あの!そこの喫茶店で箱の中身確かめて下さい!割れてたら弁償しますから」
私は喫茶店を指差し、あわててその子に説明しました。