月光小夜曲*
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「当然、あたしの体力切れが先に来た…ってこと」
それだけ言うと、紅茶に口をつけた。
「不二相手に、デュースの打ち合いか…」
跡部さんは、小気味良さそうに笑った。
「見たかったな。さぞかし圧巻だったろうぜ」
ソファから立ち上がると、跡部さんは
「今日の褒美だ。リクエスト受け付けるぜ」
そう言ってピアノの蓋を開けた。
(褒美…って何の…?まったく…俺様なんだから)
褒美…あれ…?
あたしはふと考え込んだ。
「どうした?」
「昼間、跡部さんに貰った『今日の礼』…細長い小箱。あれは、何ですか?」
「あれか…」
跡部さんがピアノの椅子からやおら立ち上がると、
「持って来てやる」
そう言って、部屋から出て行った。
「これだ」
あたしが寝かされていた部屋から持って来たのだろう、昼間見た箱が跡部さんの手にある。
「そら、つけてやる」
「………え?」
跡部さんが箱の蓋を開けると、小さな石のついたネックレスが出て来た。
(…え…)
跡部さんが、後ろに回るとあたしの首にかけて止め具を止めてくれた。
その小さな石は、部屋の照明にキラキラと光を反射させた。
「こ…これは…もしやダイヤモンドでは…?」
あたしは、キラキラと光る石を見つめながら固まった。