トリップシリーズもので、いつものヒロインは全く登場しません。高校生ヒロインの冒険譚です。
パラレル・どっと・混む〜Episode1〜*
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数日前の記憶をたどり、そこに着いた。
「ここ、なのか……?」
辺りはまだ明るい。あの時は暗かったし五年経った跡部くんには目線の高さも違うし、戸惑いながら何か確信が欲しいと周囲を見回している。
「ここ、草が乱れてる。コヨーテの屍は公園の管理者かレンジャーに片付けられたみたいだね」
草が踏みしだかれ、激しく争った形跡がまだ生々しく残る場所を見つけた。
ここはどうやら数日前の、私の記憶の場所のほうだ。
「浩美……!」
駆け寄る跡部くんに強く抱きしめられた。
「あの時はわけもわからず、ただ消え去るお前を見送るしかなかった。だが、もう離したくはねえ。例えお前がこの世界の住人じゃなくても、ここに、俺の傍にいてくれ」
頼む、と消え入りそうな声が耳をかすめた。普段の跡部くんならこんな事は一切言わないだろう。
(どうしたらいいんだ……)
本来存在しない私がここに残ったとしたら、何かしら歪みが起きるかもしれない。毎回の次元移動でさえ確実に戻れる保証は何もないのだ。
「……今はまだ私は何も言えないんだ」
「……」
「でも、ここへは来られる限り来るよ」
それでいいかな? と、抱きしめる跡部くんの背中にそっと手を回した。
「……ああ、わかった。待つぜ。五年待てたんだ、もう少しくらいなら待ってやる」
跡部くんの腕にぎゅっと力が入り、私の首筋に彼の髪が触れるのがわかった。
「ただ、そんなに長くは待たねえからな」
かすかな吐息と声が私の耳をくすぐった。