月光小夜曲*
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「カツ…」
跡部さんは内線電話を持ち上げたまま、吹き出した。
「跡部家に来た客人で、カツカレーを注文したのは、お前が初めてだ」
「いっ…いいでしょ~。食べたくなったんだもん」
あたしは口を尖らせて言った。
「ダメなら、違う物にします」
「構わねぇよ」
跡部さんは、笑いながら電話口で、カツカレーと飲み物を指示していた。
また昨夜と同じように、バルコニーから満月と星を見させて貰った。
「………」
やっぱり跡部さんは、真後ろからあたしを囲う…。
しかも何となく昨日より、ひっついて来てるし…?
「景吾様、お支度出来ました」
グッドなタイミングで、いつも現れる跡部家のメイドさん達。
大助かりですよ~。
メイドさんとは、こうあるべきですよね。
あたしは、出来立てのカツカレーを頬張りながら思った。
「─で?」
「はい?」
人心地ついたあたしに、口元にゆったりと紅茶のカップを運びながら、跡部さんは切り出した。
「どうして、そんなになるまで頑張った?誰とやったんだ?」
「─あ…。不二先輩と、1セットマッチで始めたんですけど、4ゲーム目あたりから、デュースとアドバンテージで決着がつかなくなってきて…」
あたしもカップに手を延ばすと言った。