トリップシリーズもので、いつものヒロインは全く登場しません。高校生ヒロインの冒険譚です。
パラレル・どっと・混む〜Episode1〜*
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「ひとつ言っておく。さっき柳たちが言っていたことだが」
「うん?」
「もしもお前の世界で災厄が起きて危機的状況になった時は、絶対に俺様がお前をここに連れ帰るからな?」
安心していろ、と私の頭にポンと手を置き緩く撫でると名残惜しげに病室から出て行った。
「連れ帰るって」
言葉の使い方違うよ、と思うものの、心配してくれる皆の気持ちは嬉しい。
「でもな、壊滅とか危機的状況とか陥らないでほしいね。それが今のささやかな願いだね」
病室の窓から見える風景に、ぐるぐる巻きの包帯を重ねて「早く治れ!」と念じた。
「浩美おはよー、調子はどう?」
ここへ来て二日目。私が寝泊まりしている病室と言う名のスイートルームへ千晶が朝っぱらから顔を覗かせた。
「おはよう千晶。めきめき治って来てるみたい。傷口が痒い」
私は厚みが減った包帯に巻かれた右腕を軽く上げた。
「おー! さすが異世界医療は効果抜群みたいだね」
包帯や絆創膏の貼られた私の腕や顔を見て、千晶は笑った。
「うん、これなら予想以上に早く戻れるかもだね」
傷の痛みも取れ、検査で腕も足も指も問題なく動く事が確認出来たし、傷痕も残らないと言われてよかったと思った。
(跡部くんには本当に感謝だね)
「跡部にはめっちゃお世話になったし、何かお礼をしないとね」
本来ならこんな最上級な個室、差額ベッド代だけで一泊いくらになるんだか。
(いかん、考えちゃダメだ)
私は頭を振って、入院費や保険証持ってきてないよー、という自分の世界の基準を消した。
「だね。何がいいんだろ。まあ、ぶっちゃけ跡部本人はお礼とか望んではいないんだろうけどさ」
千晶の言葉に私も思ったが、気持ちは返したい。