トリップシリーズもので、いつものヒロインは全く登場しません。高校生ヒロインの冒険譚です。
パラレル・どっと・混む〜Episode1〜*
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「それと最後にお前は俺にテニス頑張ってね、と言った。野球は出来ると言ったがテニスをしているとは一言も言っていない。それも引っ掛かった。お前は俺を知っている、だが俺はお前を何も知らない。なのにどれだけ捜してもお前はいない」
ふうっと跡部くんがひとつ息を吐いて続けた。
「本当に捜して捜して、わずかでもお前に関するそれっぽい情報があれば、プライベートジェットで世界中どこでも飛んで行った」
思い返しながら、跡部くんは懐かしむように話す。
跡部くんのそんな顔を見てしまうと、なんだか申し訳なさでいっぱいになる。
私には昨日だけれど、跡部くんには五年の月日が流れている。
そして昨日以前も会っているのに、その時にはまだ私たちは会っていない……?
(パラレルってややこしい)
「でも、ここへは何回か来たのに私だとはわからなかったの? 顔は覚えていたんでしょ?」
疑問が沸いて尋ねてみた。こちらは昨日まで遭遇していない事だけど、跡部くんは五年前に体験している。
「それなんだが、おかしなことにさっきお前のケガをした姿を見るまでは全く気づきもしなかった。お前の顔と姿は脳裏に焼きついているはずなのに、お前だと認識されずにきてしまった」
跡部くんも捜し続けた相手と既に再会していたという事実に納得がいかない様子で、腕組みをして考え込んでしまった。
「……自分に腹が立つぜ」
「まさかパラレルだから、双方で同じ体験の記憶がないと、例え事実としてあったとしても、片方だけの記憶では成り立たないって事……?」
首を捻る。それって、待たされるほうはかなり辛いよね?
「そう、なるのか?」
跡部くんも同じように首を傾げて眉を寄せた。