トリップシリーズもので、いつものヒロインは全く登場しません。高校生ヒロインの冒険譚です。
パラレル・どっと・混む〜Episode1〜*
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「……もしもの話だが、仮に君のいる世界が壊滅の時を迎えるような事態になるとしたら、俺たちは迷わず君をこちらの世界に呼ぶ。その場合君に選択肢はないと思ってくれないか」
「そうだな、君が跡部を全力で守ったように、俺たちも君の危機には駆けつけ必ず助けよう」
柳くんの言葉に乾くんも頷き言葉を繋げた。
「ありがとう」
私は小さくお礼を言った。
私の世界に彼らはいない。誌面の中の住人だ。
だが、この世界、あるいはパラレルの他の世界には彼らは人として存在している。
ひとつの世界とまた別な世界が重なって、今この出会いがある。
感謝するのは私のほうかもしれない。
「考えれば不思議だったんだ」
ひとまず跡部くんの用意してくれた病院の個室に落ち着いた。さすがに跡部財閥関連の病院らしく、個室は正にスイートルームそのものだ。窓からの眺めもいいし、ベッド脇にある面会用のテーブルとソファーの他にも続き部屋がリビングと変わらない造りになっている。ミニキッチンに洗面所、バスとトイレもある。ほんとにここ病室なのか?
千晶と皆は跡部邸に招かれ、ディナーとゲーム大会になるみたいだ。
「不思議って?」
「コヨーテと戦う前にお前に呼ばれた時、あまりに自然で気づかなかったんだが、俺たちは自己紹介を一度もしていなかったはずだ」
(そうだっけ?)
つい昨日の事だし、と記憶を辿る。
公園の立て看板の所からホーネットまで、ざっくり考えてみたが、
「そう、かも?」
記憶って案外曖昧なものだ。
自分は少年の跡部とは言え、跡部くんだとすぐわかった。つまりこちらは跡部景吾を知っているから、相手が自分を知らないということは、あまり重要ではなかったように思える。
「だからロンドンに戻った俺は愕然としたんだ。捜そうと思った相手の顔と日本人ということしかわからないという事にな」