トリップシリーズもので、いつものヒロインは全く登場しません。高校生ヒロインの冒険譚です。
パラレル・どっと・混む〜Episode1〜*
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もう一度抱きしめたいと立ち上がりかけた跡部だが、柳の続く言葉にそのまま椅子に腰を落ち着かせるしかなかった。
「跡部が五年をかけて君を捜しても見つからなかったのは理解したが、君の世界の俺たちは何をしていた? 俺たちは何も君の助けにはならないのか?」
私と千晶はこっそり目を合わせた。
この世界に私たちはいない。もしかしたら、それと同じで私たちの世界にも自分たちはいないのではないか、という空気が流れ始めた。
(隠すものでもないけど、言うべきかな)
「実は接点が何もないの。私は彼らのファンだけど、ファン以上のものになるつもりはないし、今のままで充分。ここで君たちと知り合えて、それは凄い素晴らしい体験と思っているけど、それを自分の世界にまで持ち込む気はないのよね。で、浩美はもっとテニスと縁がないから、ここで君たちと会う以外は何もないんだわ」
千晶が代弁してくれた。
越前くんだけが、こっそりと大きな目元と口の端で笑ったように見えた。
なぜだか彼は知ってるからね、自分たちがコミックの住人だってこと。
これはもう主人公特典てものかもしれないけど。
「そうか」
彼らは色んな世界がいくつも重なり、同じように過ごしてはいても、全く出会えていない場合があるのもよく理解しているので、あまり突っ込まれずに助かった。
「まあ、競争相手は少ないほうがええんとちゃう? 同じ世界やったらめっちゃ有利やけど、その連中とは全くの他人いうたら俺らも悲観することあらへんやん」
「ふふ、忍足ったらすっかりターゲットにしちゃったのかな?」
不二が忍足の隣で腕を組みながら、愉しげに微笑みを浮かべた。