トリップシリーズもので、いつものヒロインは全く登場しません。高校生ヒロインの冒険譚です。
パラレル・どっと・混む〜Episode1〜*
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跡部くんが私のほうへ視線を向けて優しく瞳で微笑んだ。
当然皆の視線も私に集中することになる。飲みかけのカップをテーブルに戻すと私は跡部くんに言った。
「君にとっては五年前かもしれない」
私は包帯の手に左手を添えた。
「私にはつい昨日の事なんだ」
ガタン!と大きく椅子を蹴って立ち上がった跡部くんは、わずか二歩で私に駆け寄りそのままひざまづくと私の右手を再び自分の両手で包み込んだ。
「すまねえ、あの時礼も何も言えないまま消えてしまったお前に途方にくれたが、本当に心から感謝をしている。今の俺がここにこうしていられるのも、全てお前のお陰だ。あの時お前が言ってくれた言葉は生涯忘れない」
『私は跡部を守る! 跡部を必ず親元へ帰す!』
今も脳裏に響く。満天の星の下、野生の獣に臆することなく立ち向かって行った華奢な背中と裏腹の行動力と、圧倒的な信頼感に底知れぬパワー。
またも繰り広げられる二人の世界に、先ほどの跡部の話を聞いた後では誰も口を挟めない。
むしろ、
(そんなん守られたら惚れんほうがおかしいやろ)
(こりゃ惚れて当然だよな、俺だって迷わず惚れるし)
(跡部が一途になるのもわかるね)
(吊り橋効果どころではないな)
(跡部が五年も捜した相手なら二度と手離しはしないだろうね、さてどうしたらいいかな)
様々な思いが渦を巻き、悲喜こもごもの気持ちをそれぞれが胸にしまい込んだ。
「少し聞いてもいいか?」
跡部くんも落ち着いて、ソファーに戻ると遠慮がちに柳くんが私に尋ねてきた。