月光小夜曲*
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「おい」
着いたぜ…と続けようとしたが、隣の七星は肘掛けとドアの窓にもたれかかるようにして、熟睡していた。
(─ったく、よく寝る奴だな…)
跡部は苦笑しながら、七星を起こそうと手を伸ばした。
「………」
しかし、疲れきったように眠る七星の表情を見たら、起こすのに忍びなくそっとその手を戻した。
「景吾様?」
運転手が振り向いて、様子を窺(うかが)う。
「もうひと晩お預かりすると…伝えてくれないか?」
七星の顔を見つめながら、跡部は運転手へ告げた。
「かしこまりました」
運転手は七星の家の呼び鈴を押した。
「すすすすす…すみません」
あたしは平身低頭で『俺様』に謝った。
送った玄関先でUターンして、また跡部家のベッドで寝かせて貰ったあたし。
目が覚めたのは夜の9時。
笑う跡部さん。
場所はあの、俺様サロン。
月は今日も満月だ。
「腹減ってねぇか?」
笑いながら跡部さんは、あたしに聞いた。
「そう言えば…」
言われたら急にお腹がすいた。昼から食べていないことに気がついた。
「何が食いたい?運ばせるぞ」
跡部さんは内線電話を取り上げた。
「カツカレー」
あたしは喜んで答えた。