トリップシリーズもので、いつものヒロインは全く登場しません。高校生ヒロインの冒険譚です。
パラレル・どっと・混む〜Episode1〜*
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「……跡部の初恋の子言うたら、ヒグマを素手で倒した狂暴女子やないん?」
私と跡部くんを見比べ、いささか困惑した表情を浮かべながら忍足くんは呟いていた。
場所を跡部邸に移動して、話が再開した。広めの居間のひとつで百二十畳くらいありそうだ。が、それだけ広いにもかかわらず、窓辺の一画に三十人あまりが集まっている。
中心はもちろん跡部くんだ。
しかし、ヒグマを素手でという忍足くんの言葉が聞き捨てならない。誤解はみっちり解かねば。どんな人物に思われてたんだか。
「さて、さっき言った通りだが改めて説明しよう」
運ばれたお茶やお菓子には目もくれず、皆は跡部くんが何を語るのか一言も聞き漏らさないという姿勢で耳を傾けた。
だが私と千晶は二人用に用意されたテーブルと椅子で美味しくお茶とお菓子を頂いている。
ちなみに爆弾発言をした芥川くんは、暖炉がある側のソファーで昼寝を絶賛続行中である。
「五年前、当時十歳だった俺様はロンドンにいた」
あの時の記憶を鮮明にするかのように、一呼吸おいて深く腰掛けた椅子から跡部くんは言葉を紡ぎ始めた。
屋敷から誘拐されたこと、隙をついて逃げ出した先で私と出逢い、そこがカナダだと初めて知ったこと。
グリズリーに追われ、狼に囲まれ、そしてコヨーテと対峙し私に命懸けで守られたこと。カナダ空軍の突如の出現。そしてその場で私が消えたこと。
それから跡部くんが私を五年間捜し続けたこと。
「この五年、俺様は跡部の全情報網を駆使して文字通り世界中を捜し回った。だが全くお前の痕跡を掴むことは出来ずにいてわけがわからなかったぜ。跡部の情報網はこの世界で最高峰の情報機関だからな。だがまあ、見つからなくて当然だよな、別次元の人間だったなら……」